thinを使ってsinatraを動かすと複数のリクエストを同時に処理できるようになります。
$ thin start --threaded
とすることでsinatraのルーティングをマルチスレッド化出来るようです。
テスト1
app.rb
get "/" do
sleep 1
body "ok"
end
シングルスレッドで動作
$ http_load -parallel 2 -fetches 2 tmp/url.txt
2 fetches, 2 max parallel, 8 bytes, in 2.00526 seconds
4 mean bytes/connection
0.997378 fetches/sec, 3.98951 bytes/sec
msecs/connect: 0.1435 mean, 0.188 max, 0.099 min
msecs/first-response: 2005.07 mean, 2005.07 max, 2005.07 min
HTTP response codes:
code 200 -- 2
--threadedオプションを指定してマルチスレッドで動作
$ http_load -parallel 2 -fetches 2 tmp/url.txt
2 fetches, 2 max parallel, 8 bytes, in 1.09866 seconds
4 mean bytes/connection
1.8204 fetches/sec, 7.28158 bytes/sec
msecs/connect: 0.144 mean, 0.187 max, 0.101 min
msecs/first-response: 1098.47 mean, 1098.47 max, 1098.47 min
HTTP response codes:
code 200 -- 2
検証1
http_loadを使って同時接続しています。2アクセスを2同時接続で実行しました。
sinatraでは
sleep 1
として1秒後に結果を出力するようにしています。
シングルスレッドの場合には全てのリクエストを完了するのに
2.00526
秒かかっています。http_loadによってリクエストは同時に2個投げられていますが1つずつ処理が実行されているのがわかります。
マルチスレッドにした場合には
1.09866
秒でリクエストが完了しています。二つのリクエストがほぼ同時に処理されたということがわかります。
テスト2
同時接続数を増やしたい場合には
Eventmachine
の
threadpool_size
を調整する必要があります。
同時接続数20
$ http_load -parallel 20 -fetches 20 tmp/url.txt
20 fetches, 20 max parallel, 80 bytes, in 1.02251 seconds
4 mean bytes/connection
19.5597 fetches/sec, 78.2388 bytes/sec
msecs/connect: 0.33225 mean, 0.575 max, 0.18 min
msecs/first-response: 1017.84 mean, 1021.8 max, 1013.25 min
HTTP response codes:
code 200 -- 20
同時接続数21
$ http_load -parallel 21 -fetches 21 tmp/url.txt
21 fetches, 21 max parallel, 84 bytes, in 2.02767 seconds
4 mean bytes/connection
10.3567 fetches/sec, 41.4269 bytes/sec
msecs/connect: 0.317714 mean, 0.512 max, 0.183 min
msecs/first-response: 1068.38 mean, 2026.61 max, 1015.29 min
HTTP response codes:
code 200 -- 21
検証2
同時接続数が20までならほぼ1秒で処理が終わっています。しかし同時接続を21にした途端に処理が倍の2秒かかっています。
thinはEventMachineを使ってマルチスレッドの処理を行なっています。EventMachineで扱えるスレッドの数はデフォルトでは20となっています。20スレッドを超えてスレッドを生成しようとすると処理待ちの状態になるようです。
この制限を変更したい場合にはプログラム中に次のように設定します。
EM.threadpool_size = 100
これで100リクエストまで同時に処理を行う事ができます。
注意
--threadedオプションを指定した場合にはsinatraをマルチスレッド対応でコーディングする必要があります。マルチスレッドではI/Oに同時アクセスされるという状況が頻発しますのでMutexやflockなどをつかって排他制御する必要があります。